同窓会報 第二号『親ぬ訓話や肝に染みり』 那覇高10期 中山 侑義

城岳同窓会会報 第二号


親ぬ訓話(ゆしぐとぅ)や肝(ちむ)に染みり(第2号)

那覇高10期 中山 侑義

 言うまでもなく、表題の句は我らが琉球の童謡「てぃんさぐの花」の一節である。私の記憶では戦時疎開先の台湾で、昭和19年の秋(国民学校へ上がる数ヶ 月前)、泊出身の里母に習ったのが最初だった。これが、その後の私の魂に「親に孝、君に忠」的、延いては愛校、愛郷、愛国他、袖振り合う人々への、いとお しみや、感謝、申し訳なさなどの感情や言動に影響を与えたと思われる。
残念ながら、里親夫婦たちの老後―人生の締めくくりは悲惨だった。その実子には「仏作って魂入れず」だったからである。しかし、私にはそれも反面教師と なった。「子は親の背を見て育つ」と言う。私が自治会の作業や、同窓会、沖縄県からの甲子園野球につとめて参加するのも、結局は私ども夫婦の老後と、子供 たちの将来の幸せを願えばこそである。「情けは人のためならず」。
「我(わん)ん生(な)ちぇどう親(うや)や、我んどう目当てぃ」、私の子孫にも、その心が伝われば良いのだが。
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